2017年 11月 06日
11月3日、京都にて【其の一】 |
「ツアーみたいでええよな」
京都へ向かう阪急電車に乗ったのはチョウくんとガンホくんと僕の3人。淡路駅を過ぎた頃、ガンホくんがそう言った。僕は「ほんまですねー、気分上がりますねー」、チョウくんは「おお、そやな」と気のない返事だった。それもそのはず、熱心に携帯をいじっていた。僕たち3人の長閑な会話のBGMのように、気持ちの良い秋晴れの風景が窓の外を流れていく。
11月3日、祝日。先日結成した新ユニット、R&C FOUNDATIONのお披露目ライヴの場所となったのは、京都二条にあるnano。東京のバンド<Wanna-Gonna>のリリースツアーに出演するためだった。彼らと共演することになったのは、以前に書いたので割愛させていただくがWanna-Gonnaがどんなパフォーマンスをするのか、それもとても楽しみだった。
「うわ!おカネって書いてるやん!」
「金儲けしたいし神頼みせなあかんぞ!」
チョウくんが叫ぶ。サングラスの奥で目の色が変わっていたのは言うまでもない。烏丸御池駅で降りてnanoへ向かう途中、御金神社という神社があった。僕たちは<おカネじんじゃ>と言っていたが、正しくは<みかねじんじゃ>と読むことを後で知った。金に目がくらんでしまったようだ。やれやれ。
十夢くんと合流してから4人で御金神社へ。おみくじを引いて参拝もして記念写真も撮って。早めに京都に入ってぶらぶらしてもよかったな、と後で思った。しかしまあライヴ前にリラックスしすぎるのもよくないし、これくらいがちょうどよかったのかもしれない。
nanoに着く直前、向かいから歩いてくる若者たち。
「あ、Wanna-Gonnaです」
Wanna-Gonnaの奥津誌朗くんたちだった。ものすごくナチュラルな挨拶だった。これが初対面というのもなんだかいいなと思った。nanoに着くとボーカルの竹澤浩太郎くんたちがいた。こちらもナチュラルに。想像していた人物像とほとんど相違がない。自然体の好青年。そんな第一印象だった。
今回のR&C FOUNDATIONのメンバーであるパイレーツ・カヌーの岩城一彦くんと吉岡孝さんも到着、そしてサックスのkaoriちゃんも到着しリハーサルを始める。リハ時間終盤に差し掛かる頃に音合わせをした「狼の好物は迷える子羊」で、外の喫煙所にいたはずのWanna-Gonnaが全員入ってきた。まるで音に引き寄せられるように。僕はその光景を嬉しく思った。そして少し誇らしい気持ちにもなった。
6人が紡ぐ音は即席ユニットのようなニュアンスは皆無だった。個性と個性がぶつかり合い、そして交わる。R&C FOUNDATIONの初陣ライヴが間もなく始まる。
(其の二へつづく)
by goodtimemusic
| 2017-11-06 23:45