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SoftBoilRadio.com vol.22。
ソングリストと解説を掲載するのも今回で3回目。
過去分は
こちらと
こちらでどうぞ。
SoftBoilRadio.com vol.22
-ナイアガラ・カレンダー2014 vol.3- 2014.5.1 (fri)
恒例の「ナイアガラ・カレンダー2014」シリーズ、vol.1は大滝詠一、vol.2は伊藤銀次。となればvol.3は、山下達郎にスポットを当てねばならないでしょう。過去2回で何かと出てきているので今回はルーツ系及び元ネタを含めた選曲でお送りします。
それでは「達郎 from ナイアガラ」、どうぞ。
http://www.mixcloud.com/SoftBoilRadio/softboilradiocom-022/
M1 : TORIO FM 時報
1973年から80年代前半までのCMソングをまとめた『山下達郎 CM全集 vol.1』から、民放FM局用に制作した時報前のジングル。78年から数年間、実際にOAされていたもの。
M2 : Dr. Kaplan's Office / Bob B. Soxx & The Blue Jeans
前回同様、ラジオ番組『GO! GO! NIAGARA』のテーマ・ソングとしておなじみの曲を、オリジナル・バージョンで。フィル・スペクターがプロデュース、1963年にリリースされたボブ・B.ソックス&ザ・ブルー・ジーンズのシングル「Why Do Lovers Break Each Other's Heart」のB面曲。
M3 : Don't Worry Baby / 山下達郎
シュガー・ベイブ結成前の1972年に自主制作したカバー・アルバム『Add Some Music To Your Day』から。ビーチ・ボーイズやバディ・ホリー、エヴァリー・ブラザーズなど、オールディーズ・ナンバー満載。「Don't Worry Baby」はビーチ・ボーイズのカバー。レコーディング・メンバーは当時19歳の山下達郎、鰐川己久男、並木進、武川紳一の4人に村松邦男も参加。伊藤銀次と駒沢裕城がこのアルバムを高円寺のロック喫茶「ムーヴィン」で聞いたことがきっかけで、大滝詠一と山下達郎が出会い、シュガー・ベイブ結成に向かっていくというのは、有名なエピソード。
M4 : パレード / ナイアガラ・トライアングル
1976年3月25日にリリースしたアルバム『ナイアガラ・トライアングル vol.1』から。シュガー・ベイブ時代のレパートリーのひとつでもある。音源は2006年の30周年記念盤からピアノのイントロを含んだオリジナル・バージョン。エンディングの"お祭りSE"は割愛させていただきました。因みにピアノは坂本龍一が担当。
M5 : More Today Than Yesterday / The Spiral Starecase
M6 : Ain't Gonna Lie / KEITH
「パレード」の元ネタ的曲を2曲続けて。カリフォルニア出身のグループ、スパイラル・ステアケースは「More Today Than Yesterday」。1969年に全米12位を記録。キキ・ディーやパティ・オースティン、最近ではブルーノ・マーズもカバーしている。2曲目はフィラデルフィア出身のシンガー、キースの「Ain't Gonna Lie」。こちらは1966年に全米39位を記録。
M7 : 山下達郎 FLASH
ナイアガラ時代の代表曲を2分少々のメドレーで。曲目は「DOWN TOWN」「SHOW」「パレード」「ドリーミング・デイ」「すてきなメロディー(幻カズー入り)」「フライング・キッド」「雨は手のひらにいっぱい」「過ぎ去りし日々 -60's Dream-」「シュガー(オリジナル・ミックス)」の合計9曲。
M8 : Sugar Babe / The Youngbloods
ジェシ・コリン・ヤングを中心としたグループ、ヤングブラッズ。「Get Together」のヒットでも知られるグループで、この曲はシュガー・ベイブのバンド名の由来となった曲。1968年のアルバム『Earth Music』収録。
M9 : If You Were There / The Isley Brothers
アイズレー・ブラザーズが1973年にリリースしたアルバム『3+3』から。全米アルバム・チャート8位、ソウル・チャートでも2位を記録した大ヒット・アルバム。次曲「DOWN TOWN」の元ネタのひとつ、というのは言わずもがな。
M10 : DOWN TOWN / シュガー・ベイブ
M11 : 指切り(DEMO)/ シュガー・ベイブ
続いては、その「DOWN TOWN」を。作詞は伊藤銀次で元々はキング・トーンズに提供する予定で書かれた曲。EPOのカバーもおなじみ。「指切り(DEMO)」は大滝詠一のカバー。1994年以降の再発盤に収録。録音は1974年4月、ニッポン放送のスタジオにて。なお、キング・トーンズ用には「遅すぎた別れ」も、そのうちのひとつだったという。
M12 : サイダー '73 '74 '75 / 大滝詠一
M13 : 三ツ矢サイダー / 山下達郎
M14 : サイダー '77(ロング・バージョン)/ 大滝詠一
70年代の三ツ矢サイダーのCMソングをまとめて。「サイダー '73 '74 '75」と「サイダー '77」を担当したのは大滝詠一。前者は1975年のアルバム『ナイアガラ・ムーン』からのバージョン、後者は1977年の『ナイアガラCM Special』から。そして山下達郎は1976年のサイダー・ソングを担当。その後、山下達郎の専売特許となる一人多重アカペラ・コーラスはこのCMソングが初めてのチャレンジとなった。
M15 : 雨は手のひらにいっぱい / シュガー・ベイブ
山下達郎曰く「アルバムのベスト・テイク」という1曲。大滝詠一のアイデアもあり、フィル・スペクター風の「ウォール・オブ・サウンド」的サウンドが特徴。2000年5月、benzoがシングル「Flower」のカップリング曲として
カバー。こちらはbenzoならではの疾走感ある仕上がりに。
M16 : FAB FLASH
M17 : Nice Folks / The Fifth Avenue Band
シュガー・ベイブの音楽性に大きな影響を与えたフィフス・アヴェニュー・バンド。ピーター・ゴールウェイを中心とする6人組。バンド名のとおり、ニューヨークを拠点に活動していたグループ。1969年に唯一のアルバム『Fifth Avenue Band』をリリースして解散するも、当時の主流とは一線を画す洗練された音楽性は後にフォロワーが続出。日本で最も早く取り入れたのがシュガー・ベイブ。アルバム全11曲を4分少々にしたメドレー「FAB FLASH」から「Nice Folks」を選曲。
M18 : すてきなメロディー(幻カズー入り)/ シュガー・ベイブ
1980年7月にリリースされた『TATSURO YAMASHITA FROM NIAGARA』は、ナイアガラ・レーベル在籍時の74年から76年に録音した作品を集めたもの。当時ナイアガラ作品を販売していた日本コロムビアが契約上は問題無しということで、本人及び大滝詠一には承諾を得ずに編纂したもの。公認でありながら非公認的な1枚ではあったが、2009年に未発表バージョンなどを追加して再編纂した『TATSURO from NIAGARA』をリリース。「すてきなメロディー(幻カズー入り)」は、間奏部分にカズーが入った別バージョン。このアルバムでしか聴けないバージョンだ。
M19 : 蜃気楼の街 / シュガー・ベイブ
M20 : ためいきばかり / シュガー・ベイブ
シュガー・ベイブの『SONGS』から大貫妙子作品「蜃気楼の街」と、村松邦男作品の「ためいきばかり」。大貫妙子は「風の世界」と「いつも通り」の合計3曲でリード・ヴォーカルをとっている。
M21 : 幸せにさよなら(山下ヴォーカル・バージョン)/ 山下達郎
「幸せにさよなら」のシングル・バージョンは銀次、達郎、大滝の3人で歌ったものを編集、アルバム・バージョンは伊藤銀次が単独で。そして2009年に再発された『TATSURO from NIAGARA』で蔵出しされたのが、山下達郎がソロで歌う「幸せにさよなら」だ。適当に歌った1回だけのテイクだそうだが、それでも達郎節はすでに確立されている。
M22 : Add Some Music To Your Day / The Beach Boys
デビュー前の自主制作アルバムのタイトルにもなったビーチ・ボーイズの「Add Some Music To Your Day」がラスト・ナンバー。1970年のアルバム『Sunflower』収録。リプリーズ移籍第1弾アルバムとしてリリースされた。全米アルバム・チャートで最高151位とチャート上では結果は残せなったが、70年代のビーチ・ボーイズの作品で屈指の名盤。
それぞれが歌う「幸せにさよなら」を起点と終点に。
ということで「ナイアガラ・カレンダー2014」シリーズ、
前半の3回は大滝詠一、伊藤銀次、山下達郎の3人に
スポットを当ててきました。
次回の「カレンダー」は7月を予定しています。
夏本番の季節、そんな内容になればと考えております。