2018年 03月 21日
砂を掘る |
レコード店に勤務していた頃は
聴いたことのない作品に触れることが楽しみのひとつだった。
なかでも思い出深いのはサンドというバンド。
ポートランド州オレゴン出身の6人組で
アルバムはわずか2枚しかリリースしていない。
73年のファーストアルバムは見開きジャケでLP2枚組。
驚いたのは溝があるのはA面とC面のみ。
B面とD面はつるつるだった。
つまりBとDには音が刻まれていない。
全8曲。アルバムとしては少ない曲数だが
それを2枚にわたって収録している。
贅沢というかなんというか。
BとDをAとCでサンドする。
バンド名にかけているのだろう。
ジャケットはSandにまみれたSandwichが。
いろいろと秀逸な仕上がりだ。
肝心の中身はビジュアルや意味合いを凌ぐクオリティで
イーグルスっぽいハーモニーワークに
ジャム〜プログレ的展開がブレンドされている。
この時代ならではの音と演奏だ。
マイナーな1枚だが、これはぜひともの1枚。
と言いながら僕の手元にはない。
店頭に出した直後、音楽ライターの小尾隆さんが来店されて
購入してくれたのだった。
2年ほど前のことだ。
最近になって全曲がYouTubeにアップされていたので
気になる方はぜひ。
いろいろ調べていてわかったことがひとつ。
このジャケットを撮影したのが
バリー・ファインスタインだった。
なんとまあ。
ディラン、バーズ、ドクター・ジョン、ジョージ・ハリスンなどの
ジャケットでおなじみのバリー・ファインスタイン。
彼のHPも素晴らしいので、こちらもぜひ。
"レコードを掘る"という表現はよくされるが
砂を掘ってみるとこんな事実を知ることができた。
いやはや、楽しい。
by goodtimemusic
| 2018-03-21 10:02