2018年 03月 29日
1997年、ロサンゼルスにて |
しばらく音沙汰のなかった「新・名盤探検隊」シリーズ。
僕の好物たちが紙ジャケでリイシューされる。
ジェニファー・ウォーンズ
タワー・オブ・パワー
アラン・トゥーサン
ニコレット・ラーソン
マリア・マルダー
フィフス・アヴェニュー・バンド
ヴァン・モリソン
ハース・マルティネス
ドクター・ジョン
ネッド・ドヒニー
ジュディ・シル
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド
デラニー&ボニー
エリック・ジャスティン・カズ
10代後半から20代前半にかけて
これでもかと聴き漁った名盤の数々。
フィフス・アヴェニュー・バンドは
難波の新星堂でCDを買ったのが最初だった。
ハース・マルティネスもそうだった。
19歳の春だ。忘れもしない。
ドクター・ジョンの『ガンボ』はロサンゼルスの
レコードショップでLPを手に入れた。
20歳になる直前の春だ。これも忘れられない。
"The Record Collector"という店の名前に
興奮したのは言うまでもない。
調べてみると僕たちが訪れたときとは場所を変えているようだが
このお店は今も営業しているようで
Facebookページもあるし、YouTubeに映像もあった。
このおじさんはオーナーではなく、助手。
オーナーはサンダースという髭をたくわえた大柄の白人男性。
助手のおじさんは数万枚の在庫を全て把握している。
アーティスト名を告げるとすぐに出してくれた。
「ビートルズはこことここ。ブルースはあっち」
という感じで淀みなく答えてくれる。
これがもう見事だった。
「ドクター・ジョンとか、ある?」
「あるよ。『ガンボ』がその棚の下の方にあるよ」
米盤オリジナルがあっさり出てきた。
たしか20ドル前後だったか。
レコード好きには夢のような空間で
何時間も過ごした。何時間も。
当時は店内にタムシーノという名前の老犬がいて
のそのそと店内を歩き回っていた。
人懐っこい老犬だった。
「ヘイ、タムシーノ!」
今も鮮明に覚えている、サンダースの声。
あのとき、悔やまれることがひとつだけあった。
助手のおじさんの名前を聞くのを忘れていたのだ。
しかしこの時代、調べればそれもすぐに判明する。
助手のおじさんはヘンリーという名前だった。
サンダースと助手のヘンリー。そして老犬タムシーノ。
なんて素敵なんだ。
誰か映画化してくれないだろうか。
by goodtimemusic
| 2018-03-29 10:27