2018年 05月 20日
季節外れの土曜日 |
終演後の居酒屋でチョウくんがおもむろに話し始めた。パチン、というスイッチが入る音が聞こえた気がした。少し顔が赤らんでいたのはアルコールのせいなのか、気分が高揚していたからなのか定かではない。あるいはその両方ともいえる。パチン、と音がした。僕には聞こえた。
"変わらなくちゃ このままじゃこのまま"
この夜のライヴでも歌った「old friend」の一節が頭をよぎった。
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雨男で知られる男。彼の主催イベントが行われた土曜日の夜。5月19日(土)雨は降らなかったがまさかまさかの季節外れの寒さだった。その男とは、音楽感謝・中上浩寿氏。雨は降らずとも季節を変える。いやはや、おそるべし。新境地開拓かと思わせる。それはさておき、『Heart Of Saturday Night 〜Night 2〜』が阿波座カフェマーサで開催された。6人編成のR&C FOUNDATIONとして出演し、共演は青山陽一氏率いるオルガントリオ、the BM'sだった。
1週間前は5人編成だった。今夜の6人編成は去年11月以来のことで、現状のR&C FOUNDATIONとしてはフルメンバーという言い方がいいのかもしれない。とはいえ、固定メンバーが存在せず臨機応変にライヴをしていく、というのもR&Cのコンセプトのひとつでもある。
午後7時、開演。ラリーパパからチョウ・ヒョンレ、キム・ガンホ、水田十夢。パイレーツ・カヌーから岩城一彦と吉岡孝、そしてアルトサックスのkaoriの6人がステージに並ぶ。オールドジャズ的アレンジを加えた「枯葉のブルース」から緩やかにスタートした。その佇まいはロックバンドというよりも楽団。まるでレオン・レッドボーンやダン・ヒックスのような。ボブ・ディランのローリング・サンダー・レヴューのようでもあった。
一転してノリのいい「一人でできるかな?」「狼の好物は迷える子羊」「まちとまち」などではニューオーリンズファンクの要素をふんだんに盛り込んで客席を煽る。楽団からロックバンド〜ファンクバンドへ。ど真ん中にチョウくんのボーカル。岩城くんのラップスティールとバンジョー、ガンホくんのギター、kaoriちゃんのサックスがそれぞれ豪快かつ繊細にソロを回す。吉岡さんのドラムと十夢くんのベースがリズム隊として支える。そういえば「このリズム隊ええわー!」とチョウくんがライヴ中にも言っていた。
約60分のパフォーマンスは上々だったんじゃないかと思っている。ステージ袖で見ていても手応えがあった。収穫もあった。課題点も見えた。R&C FOUNDATIONがどういう展開になっていくのか、僕自身も楽しみだし、みなさんもぜひ楽しみにしていてほしい。
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深夜1時、居酒屋の座敷席でチョウくんはまだ話し続けていた。僕たちは耳を傾けている。
音楽感謝 Presents Live
Heart of Saturday Night 〜Night2〜
2018.5.19 at cafe martha
01. 枯葉のブルース
02. 一人でできるかな?
03. 狼の好物は迷える子羊
04. old friend
05. Peace Of Mind
06. ホームワード・バウンド
07. まちとまち
08. 機関車
09. 路上 ON THE ROAD
10. 心象スケッチ
<アンコールセッション>
・Loving You Is Sweeter Than Ever
by goodtimemusic
| 2018-05-20 17:51